ウィッグというと若い女性がイメージチェンジをしておしゃれを楽しむイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし、若い女性だけではなく、40代以上の上品なファッションにマッチするものも多く、薄毛や抜け毛、白髪などの悩みを解決してくれるアイテムとしても需要があります。
そこで、この記事では、女性用ウィッグの種類と特徴、選び方について説明します。
ウィッグとは、英語のwigのことで「かつら」を指す言葉です。
付け毛はエクステンションやエクステと呼びますが、引っくるめて「ウィッグ」に含めることもあります。
ただし、結婚式などでおなじみの日本髪の文金高島田はウィッグではなく「かつら」です。
他に、抗癌剤治療による脱毛や円形脱毛症で着用するかつらは、医療用かつらや医療用ウィッグと呼ばれています。
レディースウィッグは、直訳すると女性用のかつらという意味になりますが、世間のイメージでは、主に40代以上の女性向けのウィッグと捉えられることが多いといえます。
肌は年齢を表しやすいと言いますが、髪の毛も年齢を重ねると共に徐々に老化していきます。
若い頃はコシやハリのある健康な髪の持ち主でも、加齢によりコシやハリが失われボリュームがなくなってくるのです。
このような状態を「髪が痩せた」と表現します。
若いうちは髪のボリュームを抑えようと苦労していた人も、そのうちコシもハリもボリュームもなくなりペタッと痩せた髪のボリュームを出すのに苦労することになるのです。
コシやハリがないため根元の髪も立ち上がらず、分け目は地肌と伸びてきた白髪が目立ち始めます。
このままでは貧相なイメージを与え、年齢以上に老けて見られるのではないか、と気にする女性も多いものです。
そのため、パーマをかけてボリュームを出したり、白髪染めをしたりしてカバーしようとします。
しかし、パーマや白髪染めを頻繁に行うことにより髪の毛が傷み、ますます髪の毛が痩せてしまうのです。
思い切って白髪染めをせずにおしゃれなグレーヘアに移行して、程よくボリュームがあったり、ショートにしておしゃれを楽しんだりして成功される方も見かけます。
白髪が目立ち始めたけれど40代でグレーヘアにするのはまだ早いのではないかとためらう人がほとんどでしょう。
特に女性は、産後は女性ホルモンの変化から抜け毛が異常に多くなります。
もしかしたら何かの病気なのではと疑うほどの抜け毛の量の多さに、ギョッとした人もいるのではないでしょうか。
産後しばらくして体調が回復し、女性ホルモンの働きが正常になれば抜け毛もいったんは落ち着きます。
しかし、慣れない育児や仕事との両立などで悩み、ストレスが溜まると、また女性ホルモンのバランスが崩れると、抜け毛の原因になってしまうことがあります。
育児に限らず、家庭内の悩み、仕事、交友関係、無理なダイエットなどがきっかけで女性ホルモンに影響し、抜け毛や円形脱毛症の原因になることもあるのです。
これらの悩みの解決方法として、手軽に着用できるレディースウィッグが有効です。
レディースウィッグなら、頻繁にパーマをかけたり白髪染めをしたりする頻度を減らすことができます。
定期的にヘアサロンにかけている費用がかなり節約になりますよ。白髪染めは市販の染毛剤を購入して自宅で行っている人もいるでしょう。
その場合でも、染毛剤の費用がかからず、手間ひまをかける煩わしさもなくなります。
何よりも、髪の毛にダメージを与える回数を減らせるのが大きなメリットです。
パーマや白髪染めで傷んだ髪をバッサリ切ってベリーショートにして、レディースウィッグで伸びかけで手に負えない状態の髪をうまくカバーしている人もいます。
レディースウィッグなら、お出かけ前のスタイリングも簡単です。
ドライヤーの熱から髪の毛を守るためのヘアケア用品やスタイリング剤を駆使して、スタイリングに時間をかけずに済みます。
髪の毛に費やしていたお金や時間の節約になり、見た目もおしゃれなのですから、さらにレディースウィッグについて知りたいと思ったのではないでしょうか。
以下に、特徴や価格、レディースウィッグの種類などについて説明していきます。
先ほども説明しましたが、「ウィッグ(wig)」は英語で「かつら」の意味を持つので、ウィッグもかつらも基本的には同じものを指します。
部分的に付けられるヘアピースやエクステなどの付け毛も含まれることが多いです。
「かつら」と言うと、その語感から抵抗を持つ方もいるかもしれません。
どうしても男性用の薄毛対策のものや演劇や芝居などで使用するイメージがあるからではないでしょうか。
しかし、現代において、若年層の間ではファッションの一環で、服を着替えるのと同じような感覚のため、ウィッグを付けることへの抵抗感を感じる人は少ないでしょう。
なぜなら、品質の良いものやおしゃれなカラー、スタイリッシュなヘアスタイルのウィッグが低価格で入手できるようになったからです。
レディースウィッグを着用することにハードルの高さを感じていた人も、帽子をかぶるように気軽に試してみてはいかがでしょうか。
レディースウィッグは用途別に「フルウィッグ」と「部分ウィッグ」の2つに分けられます。
「フルウィッグ」は、頭全体を覆うタイプのもので、フロント、トップ、サイド、バックなどのすべての髪の毛が揃っています。
それに対して「部分ウィッグ」は、全体ではなく気になる一部分に付けるウィッグで、分け目や頭頂部の薄毛をカバーしたり、生えかけの白髪を隠したり、髪の毛のボリュームを増やしたりするためのものです。
自毛の上に留め付けたり、ウィッグのすき間から自毛を引き出して目立たないように馴染ませたりして使います。
フルウィッグは、全体を覆う「かつら」と同じもので、全体に髪の毛が植えられていますのでその分、価格は高くなります。
安価なものでは3000円前後から、高品質の高額なウィッグは数十万円というものも。
安価なタイプのウィッグでも自然でファッション性が高いものが増えています。
価格の違いは、機械で作るマシンメイドか、一本一本の毛を丁寧に手で植えているかの製法により、実際の人間の頭皮は、毛穴が整然と等間隔で並んでいるわけではありません。
場所により毛の生える密度が違ったり、毛の生え癖などがあったり、必ずしも均等に一定に生えているわけではないのです。
そのため、マシンメイドよりは職人の手による総手植えのほうが、より本物らしく自然に見えます。そのような違いで、職人の技術力、作るのにかかる時間なども含め、ランクも上になり価格も高くなっています。
また、毛質の素材も見逃せません。
素材は、人毛、合成繊維の高級ファイバー、人毛と合成繊維のミックスの3種類。
人毛にもそれぞれ品質の差があり、最高級の人毛はエクストラバージンヘアなどと呼ばれています。
明確な定義はありませんが、パーマやヘアカラーを一度もしたことのない健康で良質な人毛を指すことが一般的です。
そのような上質な毛は日本国内だけではなかなか大量に入手できません。
そのため、日本人の髪色や髪質に近いと言われている中国系、インド系、モンゴル系などさまざまな人毛を加工して使用します。
人種により栄養不足の髪質のものもあり、均一に見せるために化学薬品などで処理をしています。
その中でも、日本人の髪質に一番近いと言われているのが中国人の毛髪です。
ヘアカラーやパーマなどの薬品を一度も使用していないエクストラバージンヘアは、洗浄と殺菌のみ行い特別な薬品処理は一切行っていません。
髪の毛の一本一本を保護する働きがあるキューティクルを残しているため髪のツヤが良く、ハリやコシなどがあるため弾力も手触りも本物の毛髪そのものです。
このエクストラバージンヘアで作られたウィッグが最高級品になるわけです。
もし、身元保証された日本人のバージンヘアなら希少価値もあり、超最高級品となるでしょう。また、ウィッグに使われる人毛の種類でレミーヘアという種類もあります。
高級な人毛として紹介されることが多いですが、これについても厳密な定義はなく、上質なものからそうでないものまでさまざまなタイプが流通しています。
部分ウィッグには、「ハーフウィッグ」や「トップピース」などがあります。ハーフウィッグは、自分の髪の耳回りとえり足の毛を活かせるウィッグです。
トップピースは、部分的にボリュームアップすることができるウィッグです。
「ハーフウィッグ」も「トップピース」も、自分のヘアスタイルに近いものでサイズを正しく選ぶことがポイントになります。
カバーしたい部分よりも一回り大きいサイズのものを選びましょう。
ヘアカラーや白髪染めをしている場合は、自毛の根元部分の色ではなく毛先の色味に近いカラーのものを選ぶのがコツです。
部分ウィッグは、フルウィッグと比べれば価格もリーズナブルで手早く気になる部分をカバーしたい人に適しています。
その他に価格の違いが現れる要素としては、既成品か、セミオーダーか、フルオーダーか、ということが挙げられるでしょう。
詳しくは次の段落で紹介します。
レディースウィッグもスーツなどの洋服と同様に、マシンメイドとハンドメイド、既成品、オーダーメイド、セミオーダーメイドなど作り方により呼び分けています。それぞれの特徴や違いについて紹介します。
人毛を使った医療用ウィッグや高級ウィッグなどに使われる製法がハンドメイドです。
一本一本職人が手で髪を植え付け、人の頭髪のように自然に分かれるつむじを再現するため頭頂部が自毛らしく見えるのが特徴です。
手作業で植え付けることにより、少ない毛量でもエアリーな空気感のある自然なボリュームに仕上がります。
軽く柔らかい付け心地で通気性も良いため、長時間の着用でも疲れにくいのがメリットです。
日常の普段使いにも最適です。熱にも強い高級耐熱ファイバーならヘアアイロンでゆるふわカールやストレートも思いのまま。
自毛と違ってウィッグをテーブルに置いてセットできるため、肩も腕も疲れずやけどの心配もありません。すべての工程を手作業で行ったあとは、ベテランスタッフによる厳しい検品があるため安心です。
機械で毛束を縫い付けて作られたウィッグがマシンメイドです。
作成時間が短く効率的に量産しているため価格が非常にリーズナブルです。
その割には昔とくらべて質の良いものが増えています。
ただし、価格帯にはある程度高価なものもあり、毛質にこだわったものは絡まることも少なく不自然なテカリも抑えたものも登場。
いかに人毛に近づけられるかにこだわって人毛らしい陰影や質感を出したウィッグもあります。
マシンメイドのウィッグのリーズナブルな料金設定は大きなメリットと言えるでしょう。
さまざまなスタイルのウィッグを使い分けて気軽にイメージチェンジすることができます。
それこそ、洋服を着替えるのと同じようにその日のファッションや気分に合わせて、数種類を使い分ける楽しさがありますね。
ある程度形が決まったウィッグの中から、自分の希望に合わせて髪色や長さに仕上げてもらう方法がセミオーダーです。
セミオーダーといえども、選べる髪色は複数あり、豊富なサイズや、毛量も選択が可能。
自分に似合う長さとスタイルにプロがカットして仕上げてくれます。
早い場合は選んだ即日に受け取ることもできるのがセミオーダーのメリットでしょう。
抗癌剤治療による脱毛のためすぐにでも自分に合うウィッグがほしい人にも、セミオーダーなら長く待つ必要がありません。
豊富なサイズの中から自分に合ったサイズが選べるため、市販の既成品とはフィット感が大きく異なります。
もちろん、完全オーダーメイドよりもリーズナブルで入手できるのも大きなメリットです。
この世にひとつしかない自分専用のウィッグが作れるのがオーダーメイドです。
自分の頭の形に合わせて型取りから作るためフィット感は抜群です。
3Dスキャナーなどで正確に頭の各パーツを採寸します。
ベースネットの素材や髪質、毛量、質感などを希望に合わせて細かくカスタマイズできるのがオーダーメイドの最大のメリットです。
白髪をミックスしたりメッシュを入れたりして、あくまでも自然に仕上げてくれます。
時間をかけ丁寧な緻密な作業が必要なため、完成までに30日から60日程度かかるものと見ておきましょう。
完成後は、保証期間を設け、カットやトリートメントなどのメンテナンスや、スタイルや長さの調節を無償で行ってくれるところもあります。
レディースウィッグは、昔とくらべてひと目で「かつら」と分からない高品質のものが増えています。
人工毛にしても、かなり本物の毛に近い質感で自然に見えるものもたくさんあります。
ファッション性が高いウィッグが、よりリーズナブルに入手できるのはありがたいですね。
次の白髪染めまでの間、人前に出るとき、ファッションに合わせてボリュームを出したいときなど、状況に応じて気軽に利用してみてはいかがですか。