白髪は、見た目の年齢に大きな影響を及ぼしてしまう要素ですね。
白髪を隠すための方法にはいろいろな種類がありますが、ウィッグを使うことも効果的な解決法の一つになっています。
そこで白髪隠しのためにウィッグを使用する際のメリットとデメリットや、ウィッグの選び方についても合わせて紹介していきます。
おしゃれのために用いられることも多いウィッグ。
まずは、白髪隠しのためにウィッグを使うメリットとデメリットをご紹介します。
白髪隠しのためにウィッグを使うメリットは、なんといっても都度白髪染めや白髪を隠すわずらわしさから解放されることです。
毛髪は育つわけですから、白髪をきれいに染め上げたとしても、1~2週間もすれば新しく伸びた部分の白髪が目立つようになります。
そうなると、再び染め直さなければなりませんよね。
カラーリングで白髪が目立たなくなるのはいいのですが、あまりにもひんぱんにおこなうのも考えものです。
カラーリング剤が、毛髪と頭皮にダメージを与えるからです。
ウィッグを使用すれば、その場ですぐに白髪隠しが完了します。
髪を染める手間がなくなり、毛髪や頭皮へのダメージを回避できるだけではなく、白髪隠しにかかるコストも抑えることが可能です。
セルフで髪を染めている人も当てはまりますが、その都度、美容院に通って染めてもらっている人にとっては、特に大きな節約につながりそうです。
また、ウィッグだとつむじや分け目がボリュームアップするので、見た目の印象が一段と若返ります。
そして、ウィッグを着用することで、毛髪や頭皮を直射日光からガードできます。ウィッグは紫外線対策にも一役買ってくれるので、ダメージから大切な毛髪や頭皮を守ることも可能になるのです。
白髪隠しのためにウィッグを使用することによって生じるデメリットは、ウィッグの扱いになれないと、不自然な仕上がりになることがあるということです。
使用するウィッグによって着用方法が異なりますので、購入店舗で着用方法をレクチャーしてもらうか、YouTubeなど動画を参考に自然な着用を覚えましょう。
ひとくちにウィッグといっても、実はいくつかの種類があります。
その中で白髪隠し用に使用できそうなウィッグは、「トップピース」と「フルウィッグ」があります。
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種類 | 特徴 | 主な利用用途 |
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トップピース | 部分ウィッグの一つで、頭頂部周辺を覆うタイプのウィッグ | 生え際の白髪隠しや頭頂部のボリュームアップで利用されることが多い |
フルウィッグ | 頭全体をすっぽりと覆うタイプのウィッグ | ファッションや医療用など。根元以外も白髪隠しが必要な場合は、白髪隠しとしてフルウィッグを使用されることも |
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毛髪の色はメラニン色素の働きによるものだという話は、テレビなどで耳にしたことがある人も多いかもしれません。
メラニン色素には黒色系のメラニンと、黄赤色系のメラニンの2種類があり、毛髪の中にあるメラニン色素の色や量が地毛の髪色につながります。
このメラニン色素は、毛髪を作っている毛母細胞と一緒に根元部分に存在しているメラニン生成細胞がメラニンを作って毛母細胞へとおくられます。
ところが、何らかの理由からメラニン色素が作られなくなったり、おくれなくなってしまうと、毛母細胞はメラニン色素がない状態で髪の毛を成長してしまうことになります。
そして色の付いていない毛髪は、光を反射すると白く見えてしまいます。
これが白髪の正体というわけです。
白髪ができる主な原因の一つは加齢です。
年を重ねていく経過で起こる老化現象としてメラノサイトの働きが弱まるなどすると、メラニン色素が作られなくなってしまうのです。
また、加齢ばかりではなく、遺伝的な要因が原因となってメラニン色素が作られなくなるケースもあります。
世の中には白髪になりやすい人と、なりにくい人がいますが、これには遺伝が影響していると考えられています。
遺伝的な要因のために白髪になるパターンだと、加齢は関係ありません。
そのため、たとえ10~20代の若い世代の人であったも起こりえます。さらに、レアケースではありますが、同じく遺伝による影響のため、生まれつき色素形成能力を持っていない人もいます。
この場合もやはり、白髪の発生を避けられません。また、遺伝ではありませんが、皮ふの脱色が起こる病気である白斑症が頭皮にできることがあると、その部分に生えた毛髪も白くなることがあります。
そのほかの原因として挙げられるのは、精神的なストレスです。ストレスが強くかかり過ぎてもメラニン色素が突然作られなくなってしまい、その結果、白髪ができることがあるといわれています。
栄養状態がバランスを著しく欠いていることや、服用した薬の副作用も原因になります。
さらに、高熱や代謝障害などのような身体的に起こったことによる影響も、無視はできません。
加齢による白髪は、ある程度の予測や特定が可能です。
しかし、白髪を引き起こす要因は多岐に渡るため、加齢以外の原因を特定することはそれほど容易ではないのが現状です。
白髪を隠すためのアイテムは、種類が豊富です。
直接白髪に塗り隠すタイプの主な種類をピックアップしてみました。
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種類 | 特徴 |
---|---|
ファンデーションタイプ | スポンジに適量取って白髪に塗って使います。手軽にさっと塗れますが、手で髪をかき上げたときなどに色移りしやすいことも特徴です |
スティックタイプ | 手を汚すことなく手軽に使える白髪隠しです。生え際やこめかみの付近など、細かい部分の白髪隠しに威力を発揮してくれます。しかし、広い範囲の白髪を隠したい場合にスティックタイプを使うと、とても手間がかかってしまいます |
コームタイプ | 髪をとかす要領で使用するタイプです。コームタイプだと、頭皮にまで色が付いてしまう心配が少ない点がいいですよね。隠したい白髪の部分に合わせて、コームのサイズをセレクトすると上手に活用できるでしょう |
マスカラタイプ | 気になる白髪が数本あるという人におすすめです。細かいブラシを巧みに動かすことでべたつくこともなく、ムラなくきれいに白髪をカバーすることができます。広い範囲の白髪を隠したいというケースでは、スプレータイプが便利です |
スプレータイプ | つや感を出した白髪隠しができます。しかし、スプレーがかかったところに色が付くという性質上、洋服などを汚してしまう可能性がある点が玉にキズだといえそうです。 |
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ウィッグの歴史はとても古く、その起源はおよそ3万8千年前までさかのぼることが可能なほどです。
その時代に作られたと推定される婦人像が、ウィッグのような被り物を着けていたからです。
古代ローマになると、皇帝が薄くなった毛髪をカムフラージュする目的や、変装するために使われるようになりました。
そして、15世紀半ば~16世紀初頭のルネサンス最盛期になると、絵画の影響もあって金髪が流行しました。
それで金髪のウィッグが作られるようになり、オシャレ目的でウィッグが用いられるようになっていったのです。
シルクロードを渡って中国にもたらされ、さらに日本へウィッグが入ってきたのは7世紀頃のことでした。
当時、天皇や身分の高い人々が邪気を払うものとして冠や髪に着けていた菖蒲かづら(しょうぶかづら)が、日本での始まりだとされています。
菖蒲かづらについては、これをテーマに詠んだ歌が万葉集にも出てきます。ウィッグは、日本でも長い歴史を持っているのですね。
このようなプロセスを経て、ウィッグは薄毛や白髪などの毛髪トラブルを隠す目的のほか、おしゃれなヘアスタイルを楽しむためのファッションアイテムとしてのポジションを確立するに至ったのです。
ウィッグ選びの方法ですが、まずは理想の仕上がりをイメージし、毛質や色、生え際やつむじのスタイルなど、こだわりたいディテールやデザインを決めておきます。
毛髪の質感やつむじの形が、ナチュラルかどうかもチェックしましょう。
ディスプレイされている状態で気に入ったとしても、被っているとイメージが違うこともありえます。
実際に試着して、自分に合っているかどうかを、サイズと共に確認することも重要です。
また、トップピースを選んだ場合は、自毛と馴染むかどうかをしっかりと確かめましょう。
ウィッグの役割りは、気になる白髪を上手に隠してくれるだけではありません。
ウィッグは、おしゃれを楽しむためのファッションアイテムでもあります。
まずは、なりたいイメージを思い描き、自分にぴったりフィットする理想のウィッグを見つけましょう。
そうすれば、素敵なヘアスタイルを手に入れると同時に、わずらわしい白髪の悩みからもすっきり解放されるでしょう。